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プロと呼ばれたくない理由

私は「プロ」と呼ばれたくない。
テレビディレクターで10年、映像制作の会社を起こして10年なので、「映像のプロだよね」と言って頂くこともあるが、大変失礼ながら、実はあまりうれしくない。

理由その1

「さすがプロ!」という言葉が発せられる時、発しているのはアマである。
同業者が同業者に対して「さすがプロ」とは決して言わない。
同業者も唸る仕事をしなければならない。
お金を払う人は(アマ)は、お金を貰う人(プロ)より技術や知識や経験がない。
だからお金を払う。
でも、お金を貰う人の中には、技術や知識や経験にあぐらをかいている奴がいる。
だから、お金を払う人の方がお金を貰う人よりもはるかに真剣になる。
その真剣さへの次第点が「さすがプロ」である。
でも、本来、お金を貰う人はお金を払う人の2枚も3枚も上手で当然なのだ。技術や知識や経験があるんだから。
「さすがプロ」なんて言われているようではダメである。
「すごい」と言わせないとダメなのだ。
だから自らを「〇〇のプロです」なんて言ってる人にはイケてる感じがしない、と思っている。

理由その2

「さすがプロ!」という言葉には、言い訳を感じる
こんなに単価が安いのに、こんなに納期が短いのに、こんなに劣悪な状況なのに、ここまでのレベルに引き上げてくれてありがとう!
それが「さすがプロ」である。
現実は常に制約だらけだ。そして自分の力不足を感じない時はない。
だからこそ、「さすがプロ!」に甘んじてはいけない。
予算も時間も人間関係も、全てをコントロールして「すごい!」を目指さなければならない。
「さすがプロ!」と言われて「だろ!」とか思ってるのは、恥ずかし過ぎる。

理由その3

「〇〇のプロです」のプロ度を証明するのに、時間の長さが使われることがある。
「この道20年のプロ」とか、「○○で修行10年」とかいうやつだ。
時間は確かに仕事のバロメーターだ。
でもインターネットが出現してから、これまで以上に時間だけで計れないものが仕事の質を左右するようになったと考えている。
それは「自発性」だ。
内発的な理由がなく過ごした職業時間への評価は、これからも下がり続けるだろう。
じっとがまんの10年が、熱狂的な1年に負けることが増えるだろう。
下積みを否定はしない。自分も10年の下積みをしたつもりだ。
「この道20年のプロ」の20年に甘んじてはいけない。
その1年1年をどう過ごしてきたのか?そこに集中すべきだ。

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以上、プロと呼ばれたくない理由を上げて来たが、
プロ以上の仕事をするために、必要不可欠なことは、その仕事にどこまでのめり込んだか?ということである。
だが、人間だからどんな仕事にものめり込める、ということはない。

のめり込む要因があるのだ。

それは、つまるところ、好きか嫌いかだ。

好きでもない仕事を、きっちりやるのが「プロ」。
好きな仕事を、のめり込んでやるのは「アマ」。

だから私は「プロ」ではない。「アマ」なのだ。

代表取締役
里田 剛

仕事の魅力を映像化することで、中小企業を元気にする企業映像コンサルタント。1993年関西大学卒業後、テレビ番組制作会社に入社。テレビ東京「開運なんでも鑑定団」などでディレクターを勤めた後、TBS「サンデー・ジャポン」でサンジャポフリージャーナリストとして活躍。2006年、メディアフォーユー株式会社を設立し、企業映像の制作を開始。2010年、ITVA-日本コンテストで金賞を受賞。2013年、映文連アワードで準グランプリを受賞。2011年、ドキュメンタリー映画「マジでガチなボランティア」が、ハリウッドの映画祭、LA EIGA FESTで長編映画部門グランプリを受賞。

テレビ、映画で培った制作で、中小企業の魅力を映像化している。

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