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地域のコミュニティを再生するというお仕事

先日、ある医療法人の福祉事業部を取材させて頂いた。

新卒採用のための映像をご依頼頂いたのだ。

この医療法人は行政から福祉施設の運営を受託している。そんな福祉施設の責任者が今回の主人公である。

撮影は私一人でビデオカメラを回すスタイル。

最近何故かこれが増えており、撮影が大好きな自分としては、それだけで嬉しいのだが、自分はディレクターとしてやって来たつもりなので、「カメラマンさ〜ん」など言われると、ちょっと違和感を感じるが、まあどうでもいいことだ。

さて、早朝から職場に張り付いて、いろいろ撮らせて頂いた。

今回自分が映像化したいと思ったことは、
「利潤ではないものを追求する仕事に、人はどう取り組むのか?」

ということだ。

自分はベンチャー企業の採用ビデオを多く作ってきた。

そこには「激烈に利潤を追求する仕事に取り組む人々」がいた。
売上の数値目標を設定し、その数値をゲームのように競いながら全力を尽くす。
数値という分かりやすいもので、達成感や一体感や帰属意識を育てる。
結果は自分への利得となり、会社もお客さんも自分も幸せになれるという論理だ。
これは分りやすく力強い。
そんな熱気に溢れた職場で「すごい」と思えるシーンを沢山見てきた。

一方で、福祉にはそのような数値目標はそぐわない。
売上や利益率などの数値だけでは評価できないサービスだからこそ、行政が税金を使って提供しているのだ。

では、そんな数値化できないサービスをより良いものにしようと、日々向きあっている人たちのモチベーションはどこから生まれるのか?

それを映像化したいと思った。

今回の主人公には、これまでの歩みにそんな私の疑問に対するヒントがあった。

彼は画期的なイベントを次々と打ち出し、あまり利用されることのなかった施設を地域になくてはならないものに変えた。

しかし、本人はそれをあまりにも当たり前にやっていたので、自分が行って来たことの理由を説明することができなかった。

その説明の出来なさに、彼の仕事への思いの核があるように思う。

世間では、分りやすいことが重宝されている。

「どう考えるか」より、「如何に分かりやすく説明できるか」が優先されているようにさえ思える。

しかし、すぐに分かりやすく説明できることなんていうのは、薄っぺらいものも多い。
彼が説明できなくて困った顔をしているのを見て、なんだか鉱脈を見つけたような気になった。

彼の説明の出来なさが描ければ、この映像はこの業界を目指す人にとって役に立つものになると思う。

頑張らねば!

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