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ドラマ「世界一難しい恋」から考える映像制作の方向性

週に9本のテレビドラマを1.5倍速で視聴しておりますディレクターのトミーです。

私はテレビは基本、ニュースとドラマしか見ていません。
なぜ、テレビドラマばかり見るようになったのかは、おそらくバラエティ番組ばかり作っていたからだと思います。仕事として、他のバラエティ番組をチェックすることがあっても、プライベートの時間まで費やしたくない(何かと気になって、見ていて疲れる)という反動から、結果残ったのがドラマなのです。

先日もこのスタッフブログに書きましたが、今クールの初回OA時は10数本のドラマを録画してましたが、現在は9本にまで減少しました。

スクリーンショット 2016-05-11 19.15.22
中でもお気に入りは、日テレ水曜10時の「世界一難しい恋」です。

嵐・大野智 主演のドラマですが、ジャニーズ主演と甘くみておりました。(上から目線ですみません。いち視聴者としてお許しを!)

内容は、ホテル経営を舞台に、社長の鮫島(大野)が社員に恋をするというストーリーで、
社長として資質は抜群でありながら、恋愛に関しては中学生レベルというコメディタッチの恋愛ものです。ヒロインを波瑠が演じています。

このドラマがその他のドラマと違って群を抜いているのは、
登場人物のキャラ付けと、1話1話のストーリーが単純明快な点です。さらに共感を呼べる(男性目線の共感ですが)エピソード、主人公のセリフが切なく、面白い。

さらに、主人公の恋愛をサポートする脇役も、キャラが立っている。
秘書役の小池栄子。運転手役の杉本哲太。ライバルホテルの社長が北村一輝。コメディノリの上手な俳優さんが脇を固める徹底ぶり。

また演出的な部分から見ても、人物の心情や葛藤を芝居で見せるという映画的な演出アプローチではなく、わかりやすくセリフと表情で視聴者にみせる手法は、漫画的でもあり、テレビというメディアに最適なのだと感じます。(このドラマは、今流行りの漫画原作ではなく、オリジナル作品です。)

「視聴者が深く考えずとも楽しませ、最後まで見せきる。」「1話1話にオチをつける」は、近年のヒットドラマを見ても「下町ロケット」「HERO」「半沢直樹」「相棒」など共通点があります。正義と悪、白と黒がはっきりとしている、シンプルなものが好まれる傾向があるかと思います。視聴率だけで言えば、OAに向いている制作手法とも言えると思います。ドラマ全体として、良作が必ずしも視聴率に結びつかないというのも難しい現実です。

これは、ドラマに限らず、バラエティもワイドショーも同じです。事実、私がこれまで担当した番組も4コマ漫画のような、ショートストーリーの連続、のような手法で作っていました!

さて、そう考えると現在、制作している企業の採用動画(説明会やwebでの視聴が主)には、当てはまるのだろうか?おそらく、当てはまるのだと思います。

しかし、「シンプル」は下手をすると「安っぽい」、に変わってしまう危険も含んでいて、演出力が問われます。数分間という短い映像の中に、人を惹きつけ、強く興味深い作品が作れるよう日々精進しなくては!

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