会社のイメージは変えられるのか?佐川急便の採用動画を紹介

突然ですが、佐川急便というとどんなイメージを持ちますか。

業界大手のヤマト運輸と比較をして、「同業他社に比べて印象が良くない」「荷物がなかなか届かない」などマイナスイメージを持っている方もいるかもしれません。

当然のことながら、イメージが悪いと採用においても苦戦することになります。

そんなイメージを覆すべく、佐川急便ではこのような採用動画を公開しています。

素直な就活生は、「感動した」「なんとなく良い印象」と感じるかもしれません。

この動画には、フィクションを通して佐川のイメージアップをはかる意図があると考これまでに730万回以上再生されており、YouTubeの動画広告として配信されていたようです。

そこで、広告としての反響を調べるためにTwitter上での評判を調査してみました。

 

調査方法としては、はじめにTwitter検索で「佐川 YouTube 広告」と検索。

そこで出てきたもののうち、動画の評判と思われる文脈のものを抽出します。

可能であればプロフィールから学生かどうかを判断しました。

 

今回、佐川急便の動画に言及されていたツイート数は14件でした。

 

その中で、この動画が公開された2019年の7月30日以降のツイートは3件です。

 

佐川のYouTubeの広告終わってんな、アレ作ったやつクビにしたほうがいいしロクな採用してない

 

YouTubeの佐川の広告の上の二十歳のお兄さん、お前絶対32歳やろ。

 

佐川の広告からたどり着いた曲、よい

 

 

ツイートの表現方法としてネガティブな表現となるのは仕方がないとしても、佐川急便への印象が改善できていない危険性があると考えられます。

2つ目のツイートは否定とは言い切れませんが、動画のストーリーにうまく入り込めてない視聴者がいることを感じさせるツイートです。

3つ目は曲に関してのツイートだったので、動画よりも曲に対する印象が強かったのでしょう。

 

データの数が少なかったため「佐川 広告」や「佐川 YouTube」と検索してみましたが、数が多すぎてツイートの特定が難しくなってしまいました。

 

今回のツイートでは投稿者の属性もわからなかったので詳しいことはいいきれませんが、再生回数の割に反響が少ないとは言えます。

また、イメージアップにつながったのかという点での効果検証はツイートからでは不可能でした。

 

佐川急便では、2012年からイメージアップ戦略として「佐川男子」を押し出しています。

本の出版や佐川男子をモデルとした舞台、ダンスDVDなどが発売され、当時はちょっとしたブームになりましたよね。

 

実はそんな佐川男子プロジェクトは健在で、2020年版のカレンダーも小学館から発売されているようです。

そのほか、あまり大きく取りあげられては居ませんが、佐川急便のサイト上で「今月の佐川男子×佐川女子」という特集が2017年から継続されています。

 

このような全社的なイメージアップをはかる一環で採用動画が出されたと考えられます。

とはいえ、イメージだけを伝える動画は一長一短です。

知名度や業務内容がある程度知られている場合であれば、効果的な動画となる場合があります。

逆に知名度等がない場合には、学生に何も伝わらない動画になってしまう可能性もあるでしょう。

良いイメージを持ってもらいたいというのはどの企業も同じですが、学生の心に響く動画を作るのは非常に難しく、多くの場合「嘘くさい」と思われてしまうことが多いように思われます。

いかに「嘘くさい」と思わせないか。佐川急便に限らず、今後、採用動画にももっと強力なコミュニケーション設計と実装が必要だと思われます。

 

 

 

(参考資料)

書籍「佐川男子」
佐川男子をモデルとした舞台 NAKED BOYS 「佐川男子」公式トレーラー
佐川男子ダンスDVD(現在廃盤)

佐川男子ダンスDVD 宣伝動画
佐川男子2020年版のカレンダー
今月の佐川男子×佐川女子